信用金庫でVIP待遇になるのは、意外と難しくありません。
なぜなら信用金庫は経営者の人柄や、これまでの関係性をとても大切にするから。

Win-Winの関係を意識しましょう!
- メインバンクとして利用する
- 預金と融資の安定取引
- 担当者を広報として活用
- 正しい決算報告
- 経営者の会などへの参加
- 個人取引の充実
- 支店長あてに直接訪問
預金や融資の残高がモノを言う銀行と違い、信用金庫では信頼関係が重要なポイントに。
良好な関係を築くことで、以下のようなメリットが期待できます。
- 急な資金繰りにも柔軟な対応
- 赤字決算でも融資が受けられる
- 取引先の紹介や最新情報の提供
困った時に金融機関から助けてもらえる関係性は、経営をする上でも大きなリスクヘッジにつながります。
この記事では信用金庫で18年働く現役職員の目線から、信金VIPになる7つの方法を詳しく解説。できることから1つずつ積み上げていきましょう。
売上入金や口座振替などメインバンクとして利用する


信用金庫でVIP待遇を受ける最初のステップは、メインバンクとして使っていることを明確に示すこと。
その判断材料として最も重要なのが、売上入金と日常の口座利用状況です。
売上入金はメインバンクの証
売上の入金があるだけで、信用金庫は「この会社はうちをメインで使ってくれている」と感じます。
- 業況の把握ができる
- 預金残高が安定しやすい
- 口座利用の幅が広がる
融資の審査をする際も、売上の入金口座になっていることは大きなプラス要素に。
なんとなくネット銀行などを利用している人は、戦略的に切り替えることをおすすめします。
口座振替やカード決済も高評価
売上の入金だけでなく、事業費の支払いにも利用することで信金からの評価はグッと上がります。
- 外注費の支払い
- 家賃の口座振替
- 法人カードの決済
資金の入口(売上)と出口(支払い)がそろう=メインバンク化の完成です。
「わが社はこの信金をメインに使っている」という明確な意思表示となり、信用金庫にもしっかりと伝わります。
預金と融資の両輪で信頼を積み上げていく


信用金庫は「数字より人を見る」とはいえ、日々の残高は確実にチェックしています。だいたい3年間くらいの残高推移を定期的に見ているので、できる範囲で積み上げていきましょう。
預金残高は一定額を維持!残高が少なくても定期預金などでカバー
当然ですが預金残高が多ければ多いほどVIP待遇に近づきます。信用金庫の規模にもよりますが、VIP待遇になる預金の目安は3,000万円。簡単に用意できる金額ではないため、残高以外でも評価を高める方法を3つ紹介します。
- 定期預金
- 積立て預金
- 他行より多く預ける
定期預金は100万円、毎月一定額を積み立てる定期積金は3万円程度から高評価につながります。どちらも必要時には途中解約ができるので、大きなデメリットはありません。
そして意外と重要なポイントが他行残高との比較です。信用金庫では、決算書を預かった際に預金残高の内訳をしっかりと見ています。
融資は継続的に利用し返済実績を積み上げよう
信用金庫にとって融資は重要な収益源のため、次の姿勢を特に高く評価します。
- 必ず最初に相談する
- 継続的に利用する
- 毎月遅れなく返済
融資は預金と違い、残高が多ければいいというわけではありません。
資金が必要な時に最初に相談してくれる姿勢や、継続的な利用・返済実績が高評価につながります。
担当者をうまく利用して信用金庫内の評判を上げる


信用金庫でVIP待遇になるには、あなたの評判を上げていく必要があります。ここでキーマンとなるのが営業担当者。良くも悪くも、担当者の声が信用金庫内での評価に影響を与えます。



思っている以上に、担当者はあなたの話をしています。
担当者の評価があなたの評判を良くする
信用金庫の支店内では、当然のようにお客さんの話が飛び交っています。
「〇〇社長は事業に熱心で信頼できる」
「困っていたら〇〇社長が助けてくれた」
前向きな話が広がれば、あなたの評判は良くなりますが、
「〇〇さんは態度が悪く印象が良くない」
「また〇〇社長に約束をすっぽかされた」
後ろ向きな話が多ければ、あなたの評判は知らないうちに悪くなっていきます。
「この社長ってどんな人?」
「この社長は信頼できる?」
営業担当者と良好な関係が築けていれば、信用金庫内でのあなたの評判は自然と良くなっていきます。
担当者からの評価を上げる方法
実際に働いている経験をもとに、営業担当者からの評価を上げる方法を3つ紹介します。
- 時間や約束は守る
- 連絡や資料提出は速やかに
- ちょっとしたお願いに協力する
時間や約束を守り、資料提出などには素早く対応しましょう。そんなの当然と思うかもしれませんが、意外とできていない社長が多いのが実情です。
そして重要なのが可能な範囲でお願いセールスにも対応すること。
営業担当者も目標を抱えて動いています。もし困っているようなことがあれば、それはチャンス。可能な範囲で協力することで、担当者の評価が上がり、信用金庫内でもあなたの名前が良い意味で広まります。
決算書や確定申告書ができたらすぐに連絡して持参する


新しい決算書や確定申告書ができたら、すぐに担当者へ連絡をして手渡しで提出しましょう。信用金庫から依頼されるのを待つのではなく、事業者側から連絡をすることがポイントです。
すぐに連絡&手渡しが重要な理由
決算書や確定申告書の提出は、1年で最も重要な業況報告のタイミングです。できた瞬間に連絡をすることで、あなたの経営に対する真面目な姿勢が伝わります。
また手渡しすることで、決算書の中身について報告することができ、「会社の状況をきちんと管理している」ことも伝わります。
決算報告で信用金庫に伝えるポイント
決算書や確定申告書の提出時には、次の3つだけ伝えればOKです。
- 売上や利益の変動要因
- 来期の見通し(売上・利益)
- 資金繰りの状況と計画
決算書に書いてあることは見ればわかるので、「なぜ売上が伸びたのか」とか、「利益が減少した原因」などについて報告をしましょう。
決算の数字から改善点を明確にして、来期の見通しまで伝えられるとあなたへの印象は大きく変わります。
地域行事や経営者の会に参加する


信用金庫は地域密着が存在意義。地域行事や経営者会への参加は、最も自然な関係構築の場です。
地域活動で信用金庫との関係を深める
信用金庫は地域や企業とのつながりを大切にしています。地域で存在感のある企業や、事業者仲間に顔が利く社長などは、信用金庫にとっても大事にしておきたい存在です。
- 商工会議所のイベント
- 市区町村の催し
- 町内会の新年会
地域の行事に参加することで、信用金庫との距離がグッと縮まります。
信用金庫主催の集まりや勉強会はVIP待遇への近道
信用金庫が主催する経営者の集まりや勉強会は、本部の役員や支店長クラスとつながる最高の機会です。
信用金庫本部とのつながりを持てるチャンスは多くないので、可能な範囲で参加することをおすすめします。
個人の取引も充実させる


信用金庫は、法人だけでなく「社長個人の取引」も重視します。個人の取引も充実させることで、VIP待遇へ大きく近づきます。
信用金庫は社長も会社の一部と見ている
信用金庫は社長と会社は一心同体として評価しています。そのため、社長個人が不動産や預金をたくさん持っていれば、会社が大赤字でも融資を受けられることも。(このパターン結構多いです)
逆に会社の決算がどれだけ良くても、社長個人の取引があまり無いと「社長個人は別の銀行をメインにしてるのか…」とマイナスの評価をされてしまう可能性があるので注意が必要です。
やっておくといい個人取引の例
社長と会社は一心同体とは言え、個人の取引はあくまで補完的な役割。無理のない範囲でやっておくといい個人取引の例を紹介します。
- 定期預金
- 積立て預金
- 給与の入金
- 住宅ローン
- カードの引き落とし
- 税金等の口座振替



社長個人の充実した取引は、VIP待遇へ大きな後押しになります。
年に1回は支店長あてに直接訪問する


面識のない支店長にいきなり会いに行っても大丈夫?
答えは「全く問題なし」です。支店長と面識を持つことで重要なお客さんのポジションを掴みましょう。
おすすめの訪問タイミング
支店長と全く面識がない場合、年末年始の挨拶が最も自然な訪問タイミングです。
自社のノベルティやちょっとした粗品を持って訪問することで、あなたの存在を意識づけることができます。
信用金庫の支店長と面識を持つメリット
支店長と面識を持つメリットは多岐にわたります。
- 緊急時の相談がスムーズ
- 窓口でも顔を覚えてもらえる
- 営業担当者も気を遣う会社になる
- 関係性が次の支店長にも引き継がれる
来店時に支店長対応されるようになれば、これはもはやVIP扱い。
決して特別な人だけに与えられるものではなく、日頃の小さな積み重ねで誰でも到達できるラインです。
信用金庫でVIP待遇になれば経営のリスクヘッジができる


信用金庫は数字だけで判断しない金融機関です。
日頃の行動・信頼・関係構築を積み重ねることで、困ったときに本気で動いてくれるあなたの味方になってくれます。
大切なのは以下の3点。
- 取引の厚み(預金・融資)
- 人としての信頼(担当者・支店長)
- 地域・個人のつながり
この3つの軸を意識しておくことで、必ず評価は上がります。
まずはできることから1つずつ積み重ねていきましょう。




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